氷菓 映画感想

観て来ました!

【チラシ付き、映画パンフレット】氷菓 HYOUKA 監督  安里麻里

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¥1,100から
(2017/11/11 21:22時点)



監督:安里麻里
原作:米澤穂信
出演:山崎賢人、広瀬アリス、他

省エネ至上主義の高校生・折木奉太郎。彼のモットーは「やらなくてもいいことはやらない。やらなければいけないことは手短に」で、その信条にのっとり灰色の高校生活を送ろうとしていた。
しかし姉の指図で入ることになった古典部で地元の名士・千反田家のお嬢様であるえると出会う。何事にも好奇心旺盛なえるに付き合わされ、奉太郎は日常に隠れた様々な謎を解いていくことになり――というお話。


米澤穂信のライトミステリ小説が映画化。
密かにずっと楽しみにしていたんですが、テレビなどで宣伝をあまり見かけなかったような…。もしかしてキャストにあの方が入っていたから?

それはさておき、個人的に共感できる主人公№1・折木奉太郎の灰色生活と冴えわたる推理がスクリーンで見られるとは
とはいえ、日常ミステリというジャンルは映画化するには少々地味な題材であるのは否めません。
しかし、推理中の演出が凝っていたり主人公の心の動きが繊細に描写されているので話を知っていても楽しめました。
ちなみに原作1巻の感想はこちら

先にアニメで映像化されているので実写化という扱いが所々でされていますが、原作小説の映画化として見るとなかなか忠実に再現されていたと思います。
割と最近アニメも観ましたが、あちらは絵が綺麗でかわいいけど少々演出過剰に感じる部分もあったので…演出は映画の方が好みかも。
少女漫画のようなキラキラした演出はなく、あくまで千反田が無言で発する目力によって奉太郎がゴリ押されていくのが面白かったです。

キャスティングも、役者の年齢を考えなければイメージにかなり近づけていて良かったです。「私、気になります!」「俺は考えてみた。」というお決まりの台詞も健在。
そういえば山崎賢人と広瀬アリスって米倉涼子主演の35歳の高校生で共演していたっけあれからもう4年も経ってるんですね~(遠い目)
山崎賢人は、ジョジョはちょっとアレだったけどこういう気だるげな役はハマりますね!千反田に汲み付かれた時の嫌そうなジト目がたまらんww「馬鹿馬鹿しい」とか「気付いてもらえた」とかボソッと面白いこというのもいい。
広瀬アリスはとにかくかわいかった。あの大きな目をキラキラさせながら見上げてくるのが本当にかわいかった。奉太郎に汲み付く場面が多々ありますが謎が解けるまで意地でも離さんという明確な意思を感じましたw千反田えるという役はある意味難しい役所だと思われますが、千反田は少々抜けているけど馬鹿ではないお嬢様なので少し大人びた落ち着きのある広瀬アリスは合っていたと思います。
里志役の岡山天音はビジュアル的にはこれじゃない感じがしたけど、演技でだいぶカバーされていました。あのやたら明るく飄々とした立ち居振る舞いはまさしく里志だった。
伊原役の小島藤子は、よくこれだけイメージぴったりの子を見つけてきたなと感心してしまいました。小柄で童顔な容姿といい、よく通る少々高圧的な喋り方といいドンピシャ!

学校生活における些細な謎を序盤に2つ解いて、その後はタイトルにもなっている文集・氷菓の謎を解いていく。
話の切り替わりごとに黒板に章題がチョークで書かれる演出は学園ミステリらしくてよかったです
千反田の叔父・関谷純と氷菓にまつわる謎に迫っていく過程はおおむね原作通り。
そして、終盤に真相に迫っていく場面では原作の流れに沿いつつアレンジが加えられよりドラマティックな見せ方になっていました。原作は終始淡々と進んでいった印象なので、これは良い改変だったと思います。関谷純の心情もより掘り下げられていてホロリとしてしまいました。
奉太郎の台詞も新たに加えられていて、最後はグッと来るものがありました。
ただしアレンジによってツッコミどころが生じた部分もありましたが。(追記より詳細)

超・省エネ主義で灰色の学校生活を送る奉太郎。
劇中で「動くのが面倒でまず考えるネガティブな奴」と言われてるのがもうあるあるすぎて自分のことかと
千反田らと行動を共にするうち、薔薇色の学校生活に憧れを持つ奉太郎ですが自分の信条との間で揺れ動く。
氷菓の件を経て彼が至った考えには、私のような彼と同類の人間へのメッセージが込められているように感じました。灰色の生活を送っている人におすすめの作品です!←
原作はほろ苦い後味に定評がありますが、映画版もほろ苦さを余韻に残しつつ奉太郎周りに関しては良い方向への余韻も残る。
早くも千反田に振り回されタジタジな奉太郎…かわいいやつめ!

本を読んでからだと謎解きに「そうだったのか!」という驚きがないのは残念ですが、古典部の緩やかでちょっぴり刺激的な日常の雰囲気がよく再現されていたのでどっぷり独特の空気感に浸ることができました。
伝統ある街・飛騨高山の穏やかな風景もマッチしていてとても良かったです。

アニメに強いこだわりがある人には無理におススメできませんが、ちょっと気になっている人や小説の古典部シリーズが好きな人、今の自分のあり方に迷いを感じている人にはぜひおススメしたい映画

以下、ネタバレあり感想です。観てない方は注意









関谷純について調べてきたことを発表し合う風景はいかにも学生らしくて引き込まれました。古典部シリーズ特有の、高校生が小難しい話を和気あいあいとしてるのが好きなんですよね
千反田は昭和全開ドラマ風、伊原は漫画、里志は当時の白黒映像と見せ方がそれぞれ違うのも面白い。
しかし情報が断片的すぎて結論が出せない…と諦めかける奉太郎ですが、千反田の目力にタジタジ。
ここで奉太郎が「大事なのは千反田が納得するかどうか」という台詞があり、他の場面でも出ていましたが、この台詞にはちょっと違和感があったかな。。
原作短編集「遠回りする雛」で、奉太郎が古典部入部してまもなくそういう考えで動いて後悔していたことが分かるので、この部分だけは原作の奉太郎とのズレを感じました。

終盤では関谷純の件の真相に迫りますが、司書の糸魚川先生がカギを握るのは原作と同様。
しかし格技場の事故に巻き込まれて鼓膜を痛めたという設定が付け加えられており、彼女を救うために関谷純が現場に駆け付けたとすることでより事件に悲劇性を持たせていました。
千反田の語る「叔父は優しい人だった」という人物像にもより説得力を持たせられていたと思います。
その代り糸魚川先生がちょっと冷たい人みたいになっちゃってたけど…でもたった1人でその他大勢に立ち向かうのはかなり勇気がいることだろうから助けられなかったからといって責められないかも。。

関谷純が納得して学校を去ったのかを知りたかった奉太郎。彼が名づけた「氷菓」の意味を考え、彼の当時の気持ちを考えますが…
「氷菓」の意味に辿りつく前に関谷が思いっきり叫ぶ場面を挟んでしまったので、先にほとんど答え出しちゃってるようなものじゃないかそしてなぜお前まで叫ぶのか、奉太郎よとここはツッコミたくなってしまった。
「氷菓」の意味を考えてみろって里志たちに答え合わせして、最後に分かってない千反田に答えを教えてやっと「そういう意味か」と分かるのがいいのになぁとちょっとそこは惜しかったです。本郷奏多の絶叫シーン自体は良かったので、答えが分かってからあの場面を入れると良かったかも。

「I scream」アイ スクリーム
原作を読んでる時は、千反田と同じくらい最後まで分からなくて「アイス」だから「学校を愛する」とかそういう前向きな意味かと予想してたんですが…真実はそれとは真逆のほろ苦さ。
千反田が泣いた理由――叔父に言われた言葉「強くなれ。もしお前が弱ければ生きたまま死ぬことになる」に恐怖を覚えたから。
この「生きたまま死ぬことになる」というのを関谷自身の口から「今の俺のように」と明確に付け足されることで、大人になってもなお癒えない傷を抱えて生きてきた辛さが伝わってきて、千反田の零す大粒の涙に釣られて涙があふれてきました。。原作でもアニメでも泣かなかったのに…ここにも映画オリジナルの良さがありました。
さらには、叔父の行方について言いよどむ千反田に奉太郎から「お前の叔父はベナレスにいる」と言わせて冒頭の姉の手紙と繋げたのも良かったです。死者が必ず天国に行けるという地――その話を出すことで、関谷純が命を絶った線が濃厚になりますが、「そこで生きてる」と言うことでどちらとも受け取れるような言い回しにしたのかなと。
何より千反田の気持ちを納得させるために奉太郎がそういう優しい言い方をしたのが素晴らしかったです。

奉太郎が氷菓の一件で考えたこと。有り余るエネルギーが悲劇をもたらし1人の人生を狂わせたことで「薔薇色に憧れもしたが、今では灰色生活も悪くないと思ってる」と自らのスタンスを肯定できるようになった。
そんな奉太郎の姿に見ているこちらも勇気を貰えました。人は人、自分は自分。それでもいいじゃないかと言われているようで。
奉太郎の信条と心情については後味よくホッと肩の力が抜けるようでした。

姉の折木供恵はアニメと同様、顔出しはなし。声は誰がやってるんだろうと気になってましたが貫地谷しほりだったんですね豪華だー

終盤に学園祭場面が出ちゃったので続編は期待できなさそうですね。。クドリャフカが好きなんですが残念
とりあえず小説新刊の「いまさら翼といわれても」の文庫化を待ってます!

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