本能寺ホテル 映画感想

地上波放送していたので観て来ました。
気になりつつも劇場まで観に行けなかったんですよね(^_^;)

本能寺ホテル



監督:鈴木雅之
出演:綾瀬はるか、堤真一、他


恋人の親に挨拶するため、京都を訪れた繭子。ホテルの予約手違いで路頭に迷った彼女は偶然通りがかった「本能寺ホテル」というホテルに宿泊することに。ところがエレベーターを上がるとなぜか1582年の本能寺にタイムスリップしてしまい――というお話。

プリンセス・トヨトミの監督・脚本家ということで綾瀬はるか、堤真一とキャストも馴染みのある顔ぶれ。
正直、「プリンセス・トヨトミ」は個人的には微妙だったのですが、この本能寺ホテルは面白かったです。
現代と戦国時代を行き来する主人公・繭子。物語の中で派手に動くわけではなく、行ったり来たりをしているので信長との絡みはそこまで多くはありませんが、それでも何度かのタイムスリップを経て徐々に変わっていくお互いの心境。登場人物の心の変化に重きを置いた作品だと感じました。

信長は自分に物怖じせず単刀直入にものを言う繭子によって自分が本当に求めていたものが何かを思い出し、原点回帰する。
そして繭子もまた何の取り得もなくやりたいことも定まらない中で、信念のために行動する信長を見て少しずつ行動的になっていく。

堤真一の信長がとにかくカッコいい
最初は冷酷非道で恐ろしい魔王といった佇まいだったのが、次第に表情が柔らかくなっていく。それでいてどっしりとした大人の余裕を醸し出していて、本当に魅力的な信長でした。

そして綾瀬はるか演じるヒロインも透明感があってかわいかった
何が凄いって、この役を綾瀬はるか以外が演じているところを想像できないところが凄い。
過去と未来を行き来して戻ってくる時のエレベーターの中での奇行や支配人に「もし信長が本能寺のことを知っていたら~」など唐突な問答を持ちかける様子は傍から見ると一見アレな子に見えてしまうと思うんですが、劇中では確かにそういう扱いも受けていたけど画面越しに見る分にはそこまで痛々しさを感じない。
しかし控えめな子と言われているのに信長に蘭丸の陰口をチクったのは「?」と思ったけど(^_^;)

濱田岳の蘭丸はだいぶイメージが違うけどとにかくかわいかったです。
また、近藤正臣・風間杜夫といったベテラン勢の存在感がいいスパイスになっていました。
恋人の父である吉岡屋の主人がこれまた素敵な人だった思い悩む繭子に「出来ることじゃなくてやりたいことを」とアドバイスした後の優しげな笑顔がたまりません。まるで繭子の父親なのでは?と錯覚してしまうほど親心に溢れていました。
自分のやりたいことのため突き進む姿も潔くてカッコいい。現代の時間軸ではこの人の存在が物語を動かす要になっていたと思います。
そして風間杜夫演じる支配人も、ヒロインの奇行に呆れたり信じてないような素振りを見せるものの、問いかけにはちゃんと答えてくれるし最後は笑って見送ってくれる優しい人でした。知らず知らずの内にヒロインの時間移動に貢献してたりするのが面白いw
オルゴールと金平糖というタイムスリップの鍵には「さすがにあんだけ普段鳴らないオルゴールが鳴ってたらそろそろ気付いてもいいだろう」と思ってしまいましたw
そういえば本能寺ホテルという名前にした意味は分からず終いでしたね~。

京都の街を闊歩する現在の繭子と、過去の信長が交差する演出が粋やっぱり京都の街並みはいいですね。
街路樹が整備された道を馬で行進する場面だけは違和感あったけど

以下、ネタバレ感想です。










最初は威圧感たっぷりで周囲からも恐れられていた信長ですが、繭子に「誰もが笑って暮らせる国を」という自分の展望を語った時に言われた「ここの人たちはみんな笑ってないじゃないですか」という率直な言葉を受けて徐々に変わっていく。城下町で繭子を案内する時の柔らかい表情が素敵でした。
子供の遊び「ぶりぶりきっちょう」を家臣のみんなでワイワイやってるのが微笑ましくてかわいかった終いには信長様も参戦し、みんなの心が一つに!
繭子のおかげで家臣との関係も改善し、大切なことに気付くことができた信長。
一方、繭子もまた誰もやろうとしなかったことに挑戦する信長の大きな背中に影響を受けていた。大事なことは「やりたいかやりたくないか、やるかやらないかだけだ」と信長に教えられた繭子は徐々に自分の気持ちを言葉に出したり行動に移したりするようになっていく。
境内で見つめ合ってる時の2人がかなりお似合いでした。

本能寺の変のことを繭子が教えた時、あっさり未来から来たという話を受け入れ信じた信長。
あまりにも柔軟性が高すぎて「もしかして信長もタイムスリップ経験あったりする?」と思ってしまいましたが(協奏曲か!)、そういうわけではなく、宣教師たちから地球が丸いことを知って驚いたことや他にも様々な異国の文化を受け入れて来たことから「知らないだけでそういうこともあるものかもしれぬ」と思ったわけですね。信長ならそういうこともあるのかも…と目から鱗でした。
しかし自分がここで死ぬと知っても本能寺を抜け出さず光秀を待つ信長。一体どうして?と信長の心境は終盤までよく分からなかったんですよね。蘭丸に秀吉の元へ後のことを託す手紙を出させて(中国大返しが異様に早かった理由がコレ)、「わしでなくともよいのだ」と言っていたけれど、死ぬのは怖くないのだろうか?どうしてそう腹をくくってしまえるのだろうか?と。
そして終盤、最後のタイムスリップでそれが明らかになる。繭子が持ってきた縁結びスポットのチラシ――未来の人々が笑顔で楽しそうに映っている写真を見て「これは良い絵だな」と零す信長。それだけで全てを理解させられる堤真一の演技に説得力がありました。
自分が死んでも未来の世界ではちゃんと太平の世がやって来る。誰もが笑って暮らせる国になる。それが分かったからこそ信長は「わしでなくともよいのだ。太平の世を作るのは誰でも良い」と自らの死を受け入れた。信長が欲しかったものは高価な茶器よりも誰もが笑って暮らせる国だった、ということですね。
とはいえ、秀吉に後のことを託す備えをできたという面では繭子がタイムスリップしてきた意味もゼロじゃない。
信長がどんな気持ちで炎に包まれる覚悟をしたのかが分かると泣けてくるし、最後までどっしりと構えて繭子に礼を言った信長が本当にカッコいい。これは最後まで付いていきたくなる蘭丸の気持ちも分かります!
最後まで信長と運命を共にする覚悟を決めた蘭丸の笑顔にもグッと来ました。

あんな危ない所に来ちゃって大丈夫か?とハラハラしていましたが飛んでくる矢に当たらないヒロイン補正のおかげで何とか無傷。しかし元の世界に戻れない!
現代に戻るには呼び鈴を鳴らす必要がありますが今までは偶然だったため戻る方法が分からないまま。そしてまさかの支配人さんがベル掃除しようとして落っことして鳴らすオチw
ドアが開いた瞬間の絶叫する繭子がエクソシストみたいだったww

現代パートでは繭子の成長だけでなく恋人の恭一の心の変化も描かれていたのが良かったです。
2人の様子を見て恭一に「もっと彼女の意見も聞いてあげたら」と忠告してくれる同級生がいいなぁ。
彼女にそうやって言われてもまだピンと来ていない様子の恭一だったけど、父親が自分に何の相談もなく店じまい宣言をした時に繭子の気持ちが分かったのでしょうか。また、「親父のこと何も分かってなかった」という寂しさが芽生えて「繭子のことも何も分かってなかった」ということに気付いた。お父さん様様ですね。
そして繭子へのプロポーズは一旦白紙に戻して彼女のやりたいことを尊重するという答えを出す。
「好きな人がいるんだろ?そいつは何というか…凄いやつなんだろうな」とえらく察しのいい恭一さん。それに対して「凄いやつなんです」と満面の笑みで答える繭子。
信長と街歩いてる時なんてお似合いだな~と思ってましたが、結局繭子は信長に恋愛感情を持っていたのかな?「尊敬する凄い人」という感じもするけれど否定しないということは少なからず好意もあったのかな。

ホテルを出る時の「ご満足いただけましたか?」「一生忘れられない思い出になりました」という支配人さんとのやり取りが凄く良かったです。支配人さんいい味出してます
ホテルを出て再び京都を歩く繭子の背景が戦国時代だけでなく明治や平安など様々な時代とリンクしていたのは彼女が社会科教師になりたいという夢を持ったからなんですね。冒頭のビスマルクの「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」がここで活きてきたわけか
歴史から学び、それを他の人にも伝えたいと思うようになった繭子。川辺に座っている繭子の隣に信長様が腰かけますが、ここで決して2人の視線が交わらずあくまでそれぞれの時代でこの川を眺めているという体だったのがまた粋でした

ここで終わりかと思ったらまさかの支配人さん再び。
繭子を真似てオルゴールを鳴らし、彼女から貰った金平糖を食べながらエレベーターを上がる支配人。ドアが開いた瞬間の驚きの表情、彼が見たものは――?
あの表情からタイムスリップしたことは間違いなさそうですが焼け落ちた本能寺を見たのでしょうか?色々と想像を掻き立てる終わり方。
そういえば小指立てて歩く八嶋智人は一体何だったんだろうw

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