今夜、ロマンス劇場で 映画感想

設定が面白そうだったので観て来ました!

【チラシ付き 映画パンフレット】 今夜、ロマンス劇場で 監督 武内英樹  キャスト



監督:武内英樹
出演:綾瀬はるか、坂口健太郎、他


映画監督を目指し撮影会社で働く健司は、ロマンス劇場に通い詰め映画の中のお姫様に夢中になっていた。
ある日、劇場の主人からその映画のフィルムを売ることになったと聞かされた健司は悲しみに暮れる。別れを惜しむようにスクリーンに手を伸ばすがその瞬間、落雷による停電が起き、灯りが付くとそこにはスクリーンから飛び出してきたお姫様がいて…というお話。


白黒映画は好きですが、カラフルな世界で1人だけ白黒というのはかなり異彩を放っていますね
物語の中からお姫様が飛び出してくるという設定は、ディズニーの「魔法にかけられて」を彷彿とさせます。あちらはいかにも可憐なお姫様といった感じでしたが、この映画の美雪姫はとにかくおてんば。それもそのはず、映画のタイトルは「お転婆姫と三獣士」!
男勝りな口調で喋っていてもどこかかわいらしさが残る綾瀬はるか。そのドレス姿は黙っていればオードリー・ヘップバーンのように可憐です。彼女が着こなすレトロな衣装の数々(どうやって調達しているのかは不明)も見どころの1つ。化粧を施して体に色を付け、藤棚の下やバラの花畑を歩きながら自然の美しさを堪能する姿はとても絵になっていてこんな女性になりたいと憧れてしまいます

映画の中から飛び出してきたお姫様…ということで、演じている女優としてではなく物語の姫がそのまま現実世界にやって来たというファンタジック・ラブストーリー。
病院で入院中の老人が、自分の若い頃の話を看護師に語って聞かせるタイタニック形式で物語が進んでいきます。
面白いのが、美雪姫はこちらの世界を何も知らないわけではなく、観客がスクリーンを通して映画の世界を見ているのと同じように彼女もまた画面越しにこちらの世界を覗いていて自らの意志で現実世界にやって来たということ。
健司の家に上がってすぐ初見では開けるのが難しそうなドロップの缶を開けていたのに驚きましたが、観客が食べているのを見たことがあるというなら納得がいきます。
とはいえ、姫が知っているのは劇場内のことだけ。外へ飛び出せば知らないことだらけで破天荒な行動もしばしば。持ち前の高飛車で我侭な性格も相まって、しもべ扱いで散々振り回される不憫属性の健司
ただ、彼女が我侭でおてんばなのはそういう風にキャラ設定されているから。我侭を控えて欲しいと言われて「無理だ」と即答していたのはそういうことなのでしょう。
時には笑えないことをやらかす美雪姫ですが、そんな彼女に振り回されながらも放っておけない健司。惚れた弱みってやつですね

しかし彼女には秘密があった。現実世界にやって来た代償として、こちらの世界の人間に触れぬくもりを感じると彼女は消滅してしまう。
例え2人の心が通って恋人同士になったとしても一生触れ合えない運命。差し伸べられた手を取ることも、相手に手を差し伸べることもできない。
徐々に現実世界に馴染んできたところで自分は普通の人間とは違う。ジレンマに苦悩する美雪姫が出した結論は――。そして、姫を想う健司が出した結論は――。
2人の恋の行方が想像以上で、終盤では涙が自然と溢れて止まりませんでした。予告CMで観客がボロボロ泣いてたのは誇張でも何でもなかった…前も後ろも横からも、至る所ですすり泣きが聞こえました。
とにかく素敵なお話なので、声を大にしてお勧めしたいです。気になっている人はぜひ見てみて下さい!
映画を愛する青年と彼を取り巻く人々の話でもあるので、純粋に映画好きな人にとってもグッとくる作品だと思います。




以下、ネタバレ感想です。見てない方は注意して下さい!











エンドロールで竹中直人の名前があって「えっ、どこに出てた」とよくよく思い返したら冒頭のあのタヌキか!なんと贅沢なww

おてんばで我侭な美雪姫に振り回され、時には酷い目にも遭ってしまう健司。
気弱な彼を美雪は「しもべ」と呼び、泣き虫で情けない奴だと言いますが、健司はいざという時には凄く男らしくて包容力のある人だと思いました。
我侭な美雪に「いい加減にして下さい!」と怒るも、雨の中1人でお守りを探す姫に傘を差し出し「持っててください。僕が探します」とごく自然に立ち位置を入れ替える。惚れてまうやろー!

そんな健司に思いを寄せる、社長令嬢の塔子さんも素敵な女性でした。
美雪の恋敵という立ち位置から嫌な役回りになるのかな?と思いきや、控えめで上品であんなに可愛いのに自分の恋に自信を持てないという。。いやいや、もっと自信持っていいよ!相手が映画オタクじゃなかったらモテモテに違いないから!
自分の秘密を明かし、健司の重荷になることを嫌って彼の前から姿を消す美雪は塔子の思いに気付き、彼女に彼のことを任せようとする。そして塔子は、美雪の思いと健司の思いを察して健司に美雪の話を打ち明ける。
どちらも好きな人を思っての行動であり、自分の心を殺してでも好きな相手の幸せを願う姿は尊いものでした。

また、ロマンス劇場の主人・本多もまた2人の恋を父親のように見守る温かさ。
それもそのはず、主人もまたスクリーンから飛び出してきた女性と恋に落ち、結婚していた。だからこそ美雪姫と健司の気持ちがよく分かるのでしょう。
本多さんの奥さんはある日突然消えてしまったということですが、彼の気付かない間(たとえば眠っている時)に奥さんが彼に触れたのか、あるいは街中で誤って人に触れてしまったのか。。後者だと悲しすぎるので前者であって欲しい。

そして話は逸れますが北村一輝演じるスター俳優・俊藤龍之介がいいキャラすぎてww妖怪ミュージカルって何
美雪姫には「お前は何を言っているんだ?」と手厳しいツッコミを受けるわ、俳優であることを同じ映画世界からやって来た存在だと勘違いされるわ、この人面白すぎww
そして何気に健司に負けず劣らずの不憫属性でもある。ペンキを落とされても爆発しても女性に殴られても決して怒らない心の広さ、さすが大スター
「人間は爆発すると人生観が変わる」は名言すぎて笑ってしまいましたww
「男なら上を向いて、未来を見て生きるもんだぜ」と凄くキザなことを言っているのになぜか歌舞伎衣装w妖怪ミュージカルどこ行った
美雪をナンパして完全スルーされても「君、どうかしたのか?」と落ち込んだ様子を見て声をかけてくれる優しさ。結局あちらの世界の住人と誤解されたままで元の世界に戻る方法を聞かれてたけどw

塔子や俊藤、ロマンス劇場の主人たちのおかげで自分を遠ざけようとする美雪の想いを知って、再びロマンス劇場で彼女と相対する健司。触れられなくても構わないから一緒にいたいと彼女に自分の思いをぶつけます。
自分を見つけてくれた健司を心の底から愛してしまった美雪に、「触れたい」と最後の我侭を懇願されてしまう。あんな風に泣きながら言われたら、今までの彼なら彼女の我侭を聞いて触れるんじゃないかと思いました。
実際、老人となった健司にはお孫さんがいるということなので、つまり美雪が消えてしまった後で結局塔子さんと一緒になったんじゃないかと。塔子さんはミスリード要員でもあったわけですね。

病室にお見舞いにやって来た健司の孫。祖父が転んでも手を差し伸べることもない冷たい孫だという看護師の噂話。
手を差し伸べない…ではなく触れたくとも触れられない。…ってそういうことかとその姿に衝撃が走りました。
映画の登場人物である美雪は、現実世界において歳を取ることはなかった。だから健司が歳を取ってくると孫として彼の側に寄り添っていた。
つまりあの時、健司は美雪の最後の我侭を聞かずに自分の思いを押し通した。散々彼女に振り回され続けた健司に、ここに来て「たまには僕の我侭も聞いて下さい」と言わせるのが上手い!最高に男らしかったです
一緒に綺麗なものをたくさん見て、隣りを歩いて欲しい。そんな彼のささやかでひたむきな我侭を叶えて一緒に隣りを歩き続けることを選んだ美雪。
手を繋げなくても、代わりに布の端と端を握って手を繋いだ気分で歩く。キスが出来なくても、窓ガラス越しに口付けをしてキスしている気分でスキンシップをはかる。自分たちなりの形で幸せな関係を築いていく2人が微笑ましくて愛おしい
健司は本多の後を継いでロマンス劇場を守っていたんですね。

そして健司に最後の時が訪れると、駆けつけた美雪が側に寄り添いその時を見届ける。「見つけてくれてありがとう」と最後まで彼に対する感謝を忘れなかった美雪もまた、とても一途に彼を愛していた。
呼吸器を外した健司が「泣かないで」と声をかけますが、こんなの泣くに決まってます見ているこちらも既に涙腺崩壊。
決して歳を取らない彼女は健司がいなくなったらどうなってしまうのか?そんなこちらの不安を打ち消すように「触れていいよね?」と最後にお願いする美雪。「君の1番望むものをあげよう」と言っていた健司も、おそらくそのつもりだったのでしょう。
息絶える前にベッドの上で最初で最後の抱擁。そして美雪の姿は消え、健司も愛する人のぬくもりを感じながら静かに息を引き取る。こんなに幸せで美しい愛の行方が今まであったでしょうか。。
看護師さんが見つけた小説の完成作はどんな結末だったのでしょう。一瞬しか映りませんでしたが、きっと私たちの見た物語がそのまま綴られていたのだと思います。

この時点でもう号泣していたのに、あの世を現すような幸せなモノクロ世界にますます涙がこみ上げてきました。
本多、塔子、俊堂、山中、社長…といったかつて同じ時を生きてきた人々に見守られながら広間の奥へ進む健司。
モノクロ世界で美雪に差し出された1本のバラだけが鮮やかな赤色。そして広がっていく色、色、色。
カラフルになったあの世で思う存分抱き合いキスを躱す2人。なんと幸せな光景でしょうか
タイタニック形式で始まりタイタニック形式で終わるというのも、映画ファンの心を擽るにくい演出でした。
今までは美雪が現実世界に迷い込んでいましたが、今度は健司たちが映画の世界に入り込んだようにも見えます。これからもあの世で思う存分お幸せに

シェネルの歌う主題歌「奇跡」も世界観にピッタリで余韻に浸ることができました。
ED映像の美雪姫がやっぱり綺麗でかわいかった

奇跡

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