曇天に笑う 映画感想

結構前から予告で見て気になってました。
原作漫画は未読、アニメは視聴済み。

【映画パンフレット】 曇天に笑う



原作:唐々煙
監督:本広克行
主演:福士蒼太


廃刀令が敷かれ、不満を持つ士族たちなどの反乱で混沌とする明治維新。政府は琵琶湖に巨大な収監所・獄門処を建設しそこに罪人を放り込んでいた。
琵琶湖畔の曇神社を守護する曇三兄弟は罪人を捕える手伝いをしつつ町の治安を守っていた。
しかしこの地に遥か昔から伝わる大蛇の伝説が彼らを過酷な運命に導いていき――というお話。


「亜人」のアクションがとても良かったので、同じ監督ということでこちらにも期待して行きました。
確かにアクションはカッコ良かった!特に空丸の目線になって戦いが進むところは斬新で、まだ未熟な若者が多数の敵に死に物狂いで立ち向かう恐怖と必死さが伝わってきました。
基本的に1対1の戦いよりも1対多数が多く、一騎当千型のアクションは亜人よりもるろうに剣心を彷彿とさせます。
ただ、るろ剣みたいに無双状態じゃないので爽快感が足りない。。あと、獲物がかなり限定されるので亜人と比べて地味に見えてしまうのは否めないかなと。
でも福士蒼太演じる主人公・天火が鮮やかな着物を翻して戦う姿は本当にカッコ良かったです。

キャスティングは色々不安もありましたが、福士蒼太の天火は結構ハマっていてカッコ良かった!
ガタイがいいので長男のどっしりとした存在感が出ているし、喋り方はだいぶアニメ版を意識しているような印象を受けました。
カニ頭はさすがに再現不可か?と思ったら、最後の方戦闘で乱れてちゃんと(?)カニ頭っぽくなってたww
ライバル的立ち位置の安倍蒼世もイメージ通りで良かったです。
桐山漣の白子は最初イメージと違うかなと思いましたが、オカン味溢れる佇まいと柔らかい喋り方がかなり良かったです。
そして三男坊の宙太郎役の若山耀人くんがめちゃくちゃ可愛かったですストーリー面には不満も多々ありますが宙太郎には癒されっぱなしでした。
あとは無駄にいい声の看守(山路和弘、関智一)が気になって仕方なかったですw

原作・アニメ版には女性キャラクターも数人登場しますが、実写では彼女らをばっさり削って見事に男だらけ。封印の要となる牡丹ぐらいは出しても良かったと思うけど…。
二丁拳銃を操る犲の紅一点も男性に変更されているようでした。恋愛要素を盛り込むために男性キャラを女性に性転換する変更はよく見ますが、逆のパターンは珍しい男臭さを前面に出したかったとはいえ観客層がより限定的になってしまったのは惜しい気がします

肝心のストーリーですが、元々の原作がコンパクトとはいえ90分程度の映画にまとめるためにはかなり省略されていました。
削ったところの辻褄を合わせるために設定を変えたりして整合性を取っているのはいいのですが、見せ方はもうちょっと何とかならなかったのかなぁと。
アニメは本当に面白かった。元々綺麗な絵柄と和物の設定が好みだったので観始めたのですが序盤からいくつもの謎が散りばめられ、話が進むにつれ「まさか!」の展開が続き、OP・EDの演出には鳥肌が立ちました。
そういった観る側を引き付ける要素が一切排除されている。ナレーターによる説明が過剰で(大切なことは大体ヒガシが教えてくれる)、種明かしも早い時点であっさり済まされてしまう。アニメを観て話を知っているだけにもどかしかったです。詳しくはネタバレになるので後述しますが…。

あ、美術は良かったと思います。天火の鮮やかな衣装をはじめとして、町での賑やかなお祭りの様子とか獄門処の威圧感とかいい感じでした

そんなわけで追記からネタバレ感想です。観てない方は注意






良かった所

・先述した通り福士蒼太の天火がカッコいい。着物姿が似合っていて、大人数相手の大立ち回りも映えました。

・見どころの1つ、宙太郎のパチンコ成長記。
 「全然当たらない」→「当たらない」→「あっ、当たった!」→「見事命中!」
 てな感じで最終的に戦闘に役立つ流れが良かったです

・天火が刀を持ち出す時の「俺は充分愛された。でもあいつらは親の愛を知らない。だから俺がその分あいつらを愛すって決めたんだ」という独白にグッときました。

・基本人物関係の掘り下げが薄味ですが白子と兄弟とのふれあいは割と丁寧に描かれていた印象。
 アニメ観てる時はただショックで呆然としていた白子の裏切りですが、「これも運命だよ」と寂しそうに微笑む後姿に「天火が神社と町を守るのと同じように白子も家のお役目を果たしているだけなんだ」と納得できました。桐山漣よかったよ
 最後はアレ、大蛇と一体化したってことでいいのかな?

・「本当のお前はどこにいる」や「俺もう結構限界なんだけど」など天火の印象的な台詞が使われてたのは良かったです。


残念だった所

・先述した通り、色々と種明かしが早すぎる。風魔の目的とか早い段階で明かしすぎて白子が怪しいって分かりやすすぎ
 あと大蛇の器の正体をバラすの速すぎ!アニメの見せ方が神だったので順番が逆――!という感じでもどかしかったです。
 伏線の張り方をもっとこう…空丸が敵に圧されてる時に両親が殺された時のことが過って「何だ今の?」ってなる場面とか入れたら興味を引き付けられたと思うんですが。そこで「大丈夫だ」って言い聞かせる天火の包容力を見せることもできただろうし。

・登場人物の関係が希薄。これは尺の関係上仕方ないのですが、豺と天火の関係は写真のみで済ませていて過去回想はバッサリカットしているので「天火の弟を斬れるのか」はいまいち説得力に欠けるような。天火が蒼世に夢を語るシーンぐらいは入れても良かったと思います。

・天火のアクションはカッコいいけど、負傷しているとはいえ雑魚に蹴り飛ばされる天火なんて見たくなかったよ…天火ってどっちかっていうと危ない所に颯爽と現れる映画でいうところの豺ポジションなんですけど!逆なんですけど!
 弟のために命を張る兄の姿を見せ、空丸の心をかき乱すためだったのだとは思うんですが。。
 アニメで天火の最大の見せ場となるシーンがごっそり削られているので、こういう形で天火の兄弟愛や包容力を見せるしかなかったのでしょうか。主人公の出番を増やすという大人の事情もあったのかもしれませんが、見せ場を増やすために主人公を弱体化させるのは本末転倒だと思います

・上記の関係で、天火自身のエピソードが大幅にカットされているおかげで「辛い時でも笑ってられるぐらい強くなれ」という言葉の重みや説得力が半減している。まぁ、親が殺されたことを1人で背負っているという辛さはあったので的外れでもないわけですが…。

・救出された後の空丸にもっと見せ場を作ってあげてもよかったと思います。
 序盤で兄に追いつきたいという焦燥は描かれていたのに肝心の強くなった描写がなくて尻切れトンボ感が。。曇天に笑うって空丸の成長物語でもあると思うんですが…。



おまけのツッコミ所

・大蛇の鱗のスパンコール感。

・鷹峯さん、立ち姿はめちゃくちゃカッコいいのに攻撃が大振りすぎて全く当たってないように見えるのは気のせい…?

・牡丹いなくてどうやって封印するの…と思ったらお前らが封印するんかいw確かに6家の者が必要とは言われてたけど!曇と豺だけで大体何とかなる万能感。

・「エクスペクトパトローナム!」と叫びたくなるモヤッとした大蛇。

・この非常事態に1人呑気に部屋でナレーションしてる岩倉のオッサン。「急ぎ東京へ」って何もしてないんだからさっさと帰ってよかったんですよ?と最大の笑い所でした。

・獄門処から出て晴れた空を見上げる天火たちの後ろにぞろぞろ出てくる囚人と風魔たち。。豺さん呑気に見上げてないで仕事して

とまあ、思わぬところで笑いを取りに来るのがある意味エンターティメント。
アニメを観ていたのでどうしても脚本の残念さが気になってしまいましたが、原作・アニメを観てない人の感想が気になる所です。

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